●Dell OptiPlex 3060 3600 SFF のグラフィックボードを増設した
2022年に中古で買った DellのデスクトップPC。
品名は Dell OptiPlex 3060 3600 SFF。購入時の記事はこちら。
実は購入直後に手持ちの安いグラフィックボードを増設、ずっと使っていたけど、オンボードとの性能差はそれほどないのでは?ということで増設記事は書かずにいた。
でも最近、デュアルモニタで使っている2台のうち、サブモニタを買い換えた際、オンボードグラフィックにつないでみたところ、明らかに性能が低下、安いグラボでも増設するメリットがありそうなので、改めて増設記事を書いてみようと思う。
●Dell OptiPlex 3060 3600 SFF のスペック
Windows11 にアップグレード可能な世代のマシンを選ぶ代わりに、メモリやHDDは多少非力でも後から増設・交換しようという考えで買った機種。
・Intel Core i3-8100(4コア/6 MB/4 T/3.6 GHz/65 W)
・Microsoft Windows 10 Pro 64ビット
・4GB(4GB x 1)2666 MHz DDR4メモリ
・500GB HDD SATA
というスペックの製品を、
・メモリを 4GB→16GB に増設
・HDDを SSD(500GB) に換装(増設)
・グラフィックボードを増設(GeForce GT 710)
・Windows11 Pro にアップグレード
というように手を加えて使っている。
ノーマル状態ではもっさりしていた使用感が、サクサクの快適PCになった。
それぞれの増設については個別にブログ記事を書いた。最初の「中古PC購入」記事にリンクを貼ってある。また、「Dell_OptiPlex_3060改造」カテゴリからもアクセスできるようにした。
そして今回はグラフィックボードの増設について。
●グラフィックボード増設は(それなりに)有効
増設したグラフィックボードは、以前自作PCでしばらく使った後、外してそのままになっていた古いもの(2019年頃購入)。この記事を書いている時点でドライバの更新は続いているので、一応現役の GPU。
GPUは NVIDIA Geforce GT710、VRAMは2GB。ファンレス。
Dell OptiPlex 3060 3600 SFF のスロットはロープロファイル(幅の狭いボード)専用なので、ロープロファイル対応ボードを選ぶ必要がある。
パッケージに「マルチタスクに便利」と書いてあるように、ゲーム用途ではなくマルチモニタ向けのエントリーグラボ。
こんな低価格グラボなので、一応増設してみたものの効果はあるのか?という思いで使っていたけど、サブモニタを買い換えた時にこのグラボではなくオンボードで表示してみたら、
・動画系のウェブサイトを複数立ち上げると、一瞬画面が消えたりと不安定
・HDくらいの動画ファイルを複数同時再生すると、片方が止まる
・グラボを使っている時と比べCPU使用率がかなり上がる
という状態になった。オンボードグラフィックは本体CPUやメモリにそこそこ負荷をかけるようで、それが無くなるぶん、外部グラボにすると動作が軽快になる模様。
ただ、私の場合は高解像度のモニタ(WQHD)、デュアルモニタ、動画サイト複数立ち上げと、けっこう重めの使い方をしているわけで、フルHDくらいのモニタを1台だけつないで事務処理、といった軽い用途の人は、あえて外部グラボを増設する価値はないかもしれない。
というわけで、グラフィックボード増設は(一部の人には)効くんでは、と思う。
私のように負荷高めの使い方をしていて何らかの問題が出ている人は、中古のグラボでもいいので増設してみたらいいかも。
●グラフィックボードをロープロファイル仕様に変更
Dell OptiPlex 3060 3600 SFF の増設スロットはロープロファイル用が2スロット。
なので、通常スロット用のグラボをロープロファイル仕様に変更する。
プラスドライバー・六角ドライバーを使って元のパネルを外し、ロープロファイル用のパネルを取り付けた。1枚だったパネルが、2枚に分かれる形(スロット2つ分使う)になった。
私はデュアルモニタでHDMI・アナログ端子を使いたいので、パネルは2枚とも使ったけど、使わない端子は無理に取り付けなくてもいいかも。
●グラフィックボードの増設手順
以前メモリ増設やSSD換装(増設)をしたときも感じたけど、Dell OptiPlex 3060 3600 SFF は内部へのアクセスがけっこう考えられた作りになっている印象。
自作PCのようにドライバー(ネジ回し)を使うような作業が極力少なくなるように設計してある。
ケースのサイドカバーを、ネジ2つ(黄色矢印)を手で回して取り外す。
これで内部が見えるようになった。グラボ用の青いスロットが見える。
グラフィックボード取り付け部分。背面パネル部分に、水色のシールが貼られて「PULL」と書かれたタブが見える。
これを上に跳ね上げるとボード取り付け部分が現れた。
自作PCではスロットのカバーはネジ止めしてあるものが多いけど、この製品では「折って取り外す」仕様になっていた。私は2スロット使うので、ラジオペンチを使って2枚とも折り取った。
折り取ったスロットカバー。再取り付けはできない仕様。
青いスロットにグラボを取り付け、もう一つのパネルも隣のスロット位置に取り付け。
跳ね上げたタブを元の位置にパチンとはめ込んで、取り付け完了。
取り付けが終わって、蓋を閉めた状態。
自作PCのケースのように、がっちりネジ止めしてあるわけではないので、ケーブルを差し込むと多少グラグラするけど問題なく動作した。
以上、グラボの増設も無事成功して、サブマシン(ほぼメインマシン)として快適に使っている。
●ゲーム用途のグラフィックボード増設は厳しいかもしれない
この Dell OptiPlex 3060 3600 SFF という機種自体、もともとオフィス向けの事務用途なので、ゲーム用途、特に3Dをバリバリ使うFPSは厳しい。
それはグラフィックボードを増設しても、あまり期待できないかもしれない。
この機種の仕様である、
・グラフィックボードがロープロファイル専用(高性能グラボがあまりない)
・電源の容量が 200Wと小さい(高性能グラボの消費電力に耐えられない)
などがネックになっている。
ちなみに私のメイン自作PCに積んでいる電源は 650W。
ドスパラの電源容量計算サイトなど、システムに必要な電源容量を概算できるサイトもいくつかあるので、使いたいグラボに電源が耐えられるか試してみたらいいと思う。今の構成で計算してみたらけっこうギリギリの模様。
たぶん魔改造的なことをすればそれなりに使えるようになるかもしれないけど、昔この手の改造をやってみた私としては、
「改造にかけた総額でけっこういいPCが1台買えてしまう」
的な本末転倒が起こることもあった。
ロープロファイル用のグラボ・交換用の小型電源ともに、ラインナップされている製品が少ないうえに割高。
このPCは、そこそこの性能アップに留めて、ゲーム用途には「ロープロファイルではない通常のグラボが積める」「高性能グラボに耐えられる電源を積める」別の中古機か自作機を用意した方がいいのでは、と思う。
私はサブマシンとしてこのPCを快適に使いつつ、メインマシン(もうすぐ使えなくなる古いWindows10マシン)を新しいPCに買い換える計画をしている。
●【非推奨】無茶な改造について考えてみた
魔改造的な、大幅に手を入れるような改造は、いろいろコストが高めになるうえに、結局別のいいPCが欲しくなることが今まで多かったのでおすすめはしないけど、やるとしたらこんな感じかと思っている。調べてみればコスパの悪さが分かると思う。OptiPlex 3060 SFF は普段使い用途に留めて、ゲームなどには別のPCを用意した方がトータルでは安上がりになる気がする。
●ライザーケーブルで普通サイズのグラボを無理やり接続
グラフィックボードをマザーボードに直接接続せずに、ライザーケーブルで延長してPCの外に出してやれば普通サイズのグラボを接続できそう。
ライザーケーブルは、例えばこういうもの(買っていないので使えるかは不明)。
ただしサイドパネルが開けっぱなしになるので冷却が不安定になる。HDDなどはサイドパネルを閉じた状態の空気の流れで冷却されると思うので、CPUID HWMonitorなどで各パーツの温度を管理して、必要ならUSB扇風機などを使って風を送る必要があるかもしれない。また、グラボがグラグラで不安定になるし、基板の配線部分がショートする危険性もあるので注意がいる。
●電源の強化・普通サイズの電源を無理やり接続
グラボを強化すると電源も強化しなければならない。スリムPCに使われている電源は小さいので選択肢が少ないし割高。TFX電源と言われるものが使えそうだけど試してはいない。
普通の電源ユニットなら大容量でも小型電源よりは安いし選択肢も多い。ただ、ケース外から無理やり接続することになるので、サイドパネルを閉めずに動かすことになるかもしれない。その際は冷却の問題がまた出てくる。
完全にパーツをばらして、大きいケースに組み直すという手もあるかもしれない。
ほぼ自作PCの材料として使う感じになるけど、冷却やショートの問題は少なくなりそう。