hideboxのブログ

淡々と情報を書いていますが、生成AIによる自動ブログではなく、生身の人間が書いたオリジナル記事です。

Dell OptiPlex 3060 SFF の CPU交換(Core i3-8100 → Core i7-8700)

●Dell OptiPlex 3060 3600 SFF の CPUを交換してみた

2022年、中古で買った DellのデスクトップPC。購入時の記事はこちら。

 

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・Intel Core i3-8100(4コア/6 MB/4 T/3.6 GHz/65 W)

・Microsoft Windows 10 Pro 64ビット

・4GB(4GB x 1)2666 MHz DDR4メモリ

・500GB HDD SATA

というスペック。

 

購入時の状態ではメモリが 4GBと少なく、ストレージも HDDだったので、

かなりもっさりとした、普段使いには厳しい使用感だったけど、

メモリを 4GB→16GB に増設、HDDを SSDに換装したところ、

とてもサクサクの快適PCになって、メインマシンとして常用している。

 

メモリ増設・SSD換装などについては個別にブログ記事を書いた。最初の「中古PC購入」記事にリンクを貼ってある。また、「Dell_OptiPlex_3060改造」カテゴリからもアクセスできるようにした。

 

hidebox.hatenablog.com

 

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そして今回は CPUの交換(Core i3-8100 → Core i7-8700)について。

 

 

 

●Dell OptiPlex 3060 3600 SFF の CPU交換をしたい人がいる模様

私は CPU交換しないで充分快適だったけど、ブログ記事を CPU交換が目的で見に来る方がけっこう多く、気になっていた。

 

「Dell OptiPlex 3060 の CPUを、もっと高性能なものに交換しよう」

と考えた人がいるとして、その人が

メモリ4GB・HDDの状態のまま、真っ先に CPUを交換しようとしている のか、

メモリ増設・SSD換装は済ませた状態で、さらに高性能化したいと思っている

のかが分からず、ちょっとモヤモヤしている。

 

もしもメモリ増設・SSD換装がまだなら、まずそちらを優先すべきだと思っていて、

・メモリを充分積むことは基本

・そのうえで SSDに換装(メモリが少なくスワップが発生すると SSDに負担がかかる)

・あとは用途に応じて CPU交換

という順番が妥当な気がする。

 

 

 

●CPU交換せずにメモリ増設・SSD換装した状態の使用感

CPUが Intel Core i3-8100、メモリ16GB、SSD 500GB の状態での使用感はこんな感じ。

 

・電源ボタンを押して、Windows11 Proのログイン画面が表示されるまで → 約25秒

・スタートボタンを押して、メニューが出るまで → 一瞬

・デスクトップ画面を右クリックして、メニューが出るまで → 一瞬

・「漢字」キーを押して、日本語入力ができるようになるまで → 一瞬

・Microsoft Officeの「Word」「Excel」「PowerPoint」アイコンをクリックしてから使えるようになるまで → 1秒未満

・Microsoft Edgeのアイコンをクリックしてからホーム画面全部表示 → 1秒程度

 

快適、サクサクと言っていいと思う。

あと、動画再生も、ネット動画・動画ファイルともに快適で、ストレスは感じない。

このような「普段使い」には、CPU交換しなくても充分いけるのではと思っている。

 

 

 

●CPU交換が必要な・効果的なケースを考えてみる

それでは CPU交換すると効果が上がりそうなケースは何だろうと考えてみたけど、

まず搭載CPUのスペックが低い場合。

以下の製品公式ページを見ると、

OptiPlex 3060タワーおよびスモール・フォーム・ファクタ | dell e-catalog

搭載CPUのバリエーションはけっこうあって、

 

・Celeron™ G4900(2コア/2 MB/2 T/最大3.1 GHz/65 W)
・Pentium™ Gold G5400(2コア/4 MB/4 T/3.7 GHz/65 W)
・Pentium™ Gold G5500(2コア/4 MB/4 T/3.8 GHz/65 W)
・Core™ i3-8100(4コア/6 MB/4 T/3.6 GHz/65 W) ←私が買ったマシン
・Core™ i3-8300(4コア/8 MB/4 T/3.7 GHz/65 W)
・Core™ i5-8400(6コア/9 MB/6 T/最大4.0 GHz/65 W)
・Core™ i5-8500(6コア/9 MB/6 T/最大4.1 GHz/65 W)
・Core™ i7-8700(6コア/12 MB/12 T/最大4.6 GHz/65 W)

 

となっている。

私の買った Core i3-8100 では問題ないけど、もしもそれよりも低スペックな CPUの場合は、多少パワー不足を感じる場合もあるかもしれない。

 

あとは、マルチコア動作させると高速になるような使い方、

例えば動画編集、3Dレンダリング、デジカメ画像のRAW現像などにはコア数・スレッド数が多い、高スペックの CPUが効きそうな気がする。

 

なお、ゲーム用途に関しては、この OptiPlex 3060 3600 SFF という機種自体が、

「標準サイズのグラフィックボードを積めない」(ロープロファイル専用)

「電源ユニットの容量が少ない(200W)」(高性能グラボを動かせない)

という、ゲームには不向きな仕様になっているので、この機種をあれこれ改造して思い悩むよりも、この機種は重いゲーム以外の普段使い用と割り切って、ゲームには

「標準サイズのグラフィックボード・標準規格の電源ユニットを積めるタワー型マシンをベースにして改造する(または自作する)」

ほうが、結局安上がりになるかもしれない。

 

ちなみに私はけっこう古いミドルタワーの自作機(初代 Core i7マシン)も使っていて、そこそこのグラボを積んでいるので、3Dパワーが要るものはそちらで動かすようにしている。

Windows10のサポート期限が迫っているのでいずれ買い換えようと思っているけど、たぶん買い換えPCのスペック(グラボ・CPU)を高めにして、OptiPlex 3060 SFFにはいま以上のゲームPC的な高性能は求めないでおこうと思っている。

 

 

 

●CPU交換してみた(Core i3-8100 → Core i7-8700)

そんなわけで個人的には優先度の低かった CPU交換だけど、効果が気になってきたのでやってみた(2024年3月)。

 

ドスパラで中古CPU(Core i7-8700)を買ってきた。箱・付属品なしで約1万円。ちなみに箱・付属品ありだと1万2000円くらいだった。私は実店舗で買ったけど、通販でも買えると思う。ただ、中古CPUは前の使用者が分解などの無茶をしたり、偽物をつかまされる可能性などリスキーなので、あまり怪しい経路では買わない方がいいかもしれない。

OptiPlex 3060のチップセットは Intel H370 で、Intelの H370対応プロセッサページを見ると、もうひと世代新しい第9世代CPUにも対応しているけど、BIOSも対応していなければいけないし、今回は確実に動く正規の OptiPlex 3060 ラインナップの中で最上位の Core i7-8700を選んだ。

 

Core i7-8700 バルク

 

 

CPUグリスとグリスクリーナーも買った。グリスは300円くらいの普通のシリコングリス。クリーナーはウェットティッシュタイプが便利そうだったので買ったけど、探してみたら昔買ったボトルタイプのものがまだ残っていた。一回に使う量は数CCなので、30CC入りのボトルはなかなか減らない。あまりPCをいじらない人はティッシュタイプで充分な気がする。

 

CPUグリス・グリスクリーナー グリスクリーナー

 

 

 

●元の CPU(Core i3-8100)を取り外す

ケースのサイドカバーを、ネジ2つ(黄色矢印)を手で回して取り外す。

これで内部が見えるようになった。黒いプラスチック製の CPUファンが見える。

 

Dell OptiPlex 3060 のサイドパネル PC内部

 

 

CPUファンの固定ネジ3本(黄色丸印)を外す。

CPUのヒートシンクごと外すこともできそうだったけど、ヒートシンクを均等に緩める・締めるために目視しやすいよう、まずファンだけ外すことにした。

ファンの電源コネクタは外さなくても、ちょっと横にずらしておけば、その後の作業に支障はなかった。

 

CPUファン 外したCPUファン

 

 

CPUのヒートシンクについている黒いプラスチックのガードを外す。

ヒートシンクを外す。ネジ4本(黄色丸印)を均等にゆるめてゆく。

1回転くらいずつ、左上→右下→左下→右上(繰り返す)といった感じに少しずつゆるめる。

外れたヒートシンクの下から CPUが出てきた。

 

CPUのヒートシンク CPU

 

 

外したヒートシンクには古いCPUグリスとホコリがついていたので、ホコリをブロワーで吹き飛ばし、グリスは用意したグリスクリーナーで拭き取った。

 

外したヒートシンク クリーニング済みのヒートシンク

 

 

CPUの押さえ金具を外す。金具右側のレバーを下に押しながら右に動かす(黄色矢印)。

 

CPU押さえ金具

 

 

レバーを上に上げ、同じように押さえ金具も上げて CPUを取り出す。

CPUの下には細い金属ピンがたくさん付いたソケットがあるので、落とさないように注意

 

CPU押さえ金具のレバー CPU押さえ金具を上げる

 

 

外した CPUと、CPUの付いていたソケット。大量の金属ピンが見える。CPUを落としたりしてこのピンを曲げてしまうと直すのが大変。

 

外した Core i3-8100 CPUソケット

 

 

 

●買ってきた中古 CPU(Core i7-8700)取り付け

CPUは間違った方向にセットしようとすると、うまくはまらないようになっている。

基板の切り欠きが上の左右にあり、基板にプリントされている金色の三角が左下にあり、CPUの文字が読める方向になっているのが正しいセット方向。

正しくセットできたら、押さえ金具をかぶせ、レバーを元の位置に押し込んで CPUを固定する。

 

Core i7-8700をセット Core i7-8700をセット

 

 

CPUグリスを塗る。塗布用のヘラがついているグリスもあるけど、今回の製品にはなかったので、接着剤についてきたヘラを使った。

下地が見えなくなる程度の厚さに、だいたい均等に塗った。あとで圧着するので、それほど神経質に平らに塗らなくてもいいかもしれない(真ん中に丸く置くだけでいいと主張する人もいる)。1グラム入りのグリスを半分くらい使った。

 

CPUグリスとヘラ CPUグリス塗布

 

 

グリスを塗ったら ヒートシンクを取り付け。

取り外しとは逆の要領で、左上→右下→左下→右上(繰り返す)と、少しずつ締めてゆく。

締めるのはドライバーを使わず指で締めた。ドライバーで締めすぎてネジを壊すかもしれないし、バネも効いているので、手で回らなくなるくらい締めれば大丈夫だと思う。

 

ヒートシンク取り付け

 

 

ヒートシンクがついたら、黒いプラスチックのガードをかぶせ、CPUファンを元通り取り付け、サイドカバーを閉じて作業完了。

 

 

 

●CPU換装に成功、使用感

無事 CPUの交換に成功、タスクマネージャーでも 6コア12スレッドの Core i7-8700 を認識している。

 

タスクマネージャー

 

 

試しに Cinebench 2024 を実行してみた。

交換前(Core i3-8100): Multi - 209 Single - 56

交換後(Core i7-8700): Multi - 392 Single - 68

という結果になった。マルチコアの数値が高いのは当然として、Core i3よりも基本クロックが低いシングルも何とか Core i3を上回ることができている。ターボブーストなどが効いているのかもしれない。

 

普段使いの「サクサク感」「キビキビ感」に関しては、Core i3 と比べて劇的に向上するわけではなかった。Wondows11の立ち上げ時間、重いアプリの起動時間なども、体感的にはほとんど大差ないように見える。サクサク感向上にはメモリを増やしたり SSDに換装したりしたほうが効果的だと思う。

もともと Core i3-8100は基本クロック数が高いので、シングルコア性能が重視されるような使い方ならそれほど上位CPUに見劣りしない気がした。

 

CPUのコア数が増えたので、発熱は気になるところだけど、普段使いしている限りではファンの音が大きくなったなどの変化は感じられない。温度モニターできる CPUID HWMonitor で確認してみると、だいたい40~60℃の間で推移している感じ。製品に正規ラインナップされている CPUなので、冷却不足になるような設計はしていないんではと思っている。

追記

Windows Updateをかけたり、CPUに負荷のかかる処理をさせると、CPUファンの音が大きくなる。温度を見ると80℃を超えることもある。Core i3のときはほとんど発生しなかったことが時々起きるようになったので、それなりに発熱は増えている印象。

 

Core i7 に交換したメリットとしては、

Core i3 ではカクカクとコマ落ちしていた 4K動画が滑らかに再生されるようになった。

あと、CPU内蔵グラフィックが安定して動くようになった。私は WQHDモニタ+Full HDモニタの2画面という多少負荷の高い使い方をしていて、時々画面が消えたりと不安定だったので、内蔵グラフィックをやめてグラフィックボードを増設して使っているけど、CPU交換後は内蔵グラフィックでも不具合は出なくなった。ただ、外付けグラボでは滑らかに動いていた 4K動画が多少カクつくので、外部グラボよりも CPUへの負荷が高いのは確かな気がする。

マルチメディア系など、マルチコアを生かした使い方で Core i7の実力は発揮されると思う。これからいろいろ試してみようと思う。